映画『存在のすべてを』メインビジュアル

前代未聞の二児同時誘拐事件 事件の裏に隠された、3年間の真実とは。

1991年秋、神奈川で起きた大事件。二人の少年が、同じ夜に、別々の場所から姿を消した。一人はすぐに保護されたが、もう一人・内藤亮の行方は掴めないまま、3年という歳月が流れていく。

そしてある朝、亮は突然、祖父母の元に帰ってくる。だが彼は「3年間」について、ただの一言も語ろうとしなかった。結果、事件は未解決のまま時効をむかえてしまう。

それから30年。地方支局でくすぶる記者・門田次郎(西島秀俊)は、旧知の刑事・中澤(仲村トオル)の死をきっかけに、二児同時誘拐事件について再び調べ始める。なぜ亮は戻ってきたのか。なぜ何も語らなかったのか。そして――あの3年間に、何があったのか。

門田が取材を進める先で出会った一人の女性、画廊を営む土屋里穂(広瀬すず)。彼女もまた、内藤亮を知る一人だった。それぞれが抱えてきた時間の重さを胸に、二人はそれぞれ「空白の3年間」へと踏み込んでいく。

その真実に辿り着いたとき、誰も想像もできない色鮮やかな“ある記憶”が、静かに浮かび上がってくる。

第9回 渡辺淳一文学賞 受賞/2023年度「本の雑誌」が選ぶベスト10 第1位/2024年 本屋大賞 第3位

『罪の声』の塩田武士による傑作ミステリー小説が、『64-ロクヨン-』『ラーゲリより愛を込めて』など数々の大作を手がけた巨匠・瀬々敬久監督のもと、オールスターキャストで映画化。新聞記者として「二児同時誘拐事件」の真相を追う主人公に、今や世界的俳優となった西島秀俊。被害児童の同級生で事件の鍵を握る若手画廊オーナーを広瀬すずが演じる。二児同時誘拐事件を追う警察には、仲村トオル、斎藤工、永島敏行、青柳翔といった実力派キャストが顔を揃える。さらに、被害児童の祖父に奥田瑛二、主人公の先輩記者に光石研といった燻銀の役者たちが脇を固める。

2027年、観る者すべての心を揺さぶる、衝撃と感動のミステリー大作が誕生。

CAST

西島秀俊(門田次郎 役)

西島秀俊もんでんじろう門田次郎

脚本を読み、二児同時誘拐事件をめぐる手に汗を握るサスペンスと重厚な人間ドラマに感動しました。

瀬々監督と本格的に映画でご一緒するのは1998年の「冷血の罠」以来になります。時代の空気や土地から匂い立つ気配、そして人間の業を深く描かれてきた監督と27年ぶりにご一緒できるのは本当に楽しみです。

観客の皆さんに心から楽しんでいただける作品になるよう、心を込めて演じたいと思います。

広瀬すず(土屋里穂 役)

広瀬すずつちやりほ土屋里穂

今回初めて参加した瀬々組は、監督が具体的な演出とともに熱量を共有してくださるので、とても肌馴染みが良く、演じる側としてすごく心地よかったです。

また、主演の西島さんのお人柄に触れながらお芝居ができたこと、本当に嬉しく光栄な経験でした。西島さんはそれぞれの演者の距離感や立ち位置のバランス、ご自身の動きに対する相手の動きまで全部考えてくださっていて、客観的に構図を見る姿にとても感銘を受けました。

仲村トオル(中澤洋一 役)

仲村トオルなかざわよういち中澤洋一

作品に参加させていただき、とても光栄です。お声がけいただいたとき、喜びがありました。

脚本を読んだ時は「これはいい映画になる」と思い、そして、その後に原作を読ませていただいたのですが、すでに脚本でストーリーは分かっていたにも拘わらず、最後の方は涙が止まりませんでした。

素晴らしい原作で、素晴らしい脚本で、素晴らしいスタッフの人たちと、そして、自分も入っているので、なんですが、素晴らしいキャストが揃っています。大きな期待で公開日を、お待ちいただければと思います。

斎藤工(先崎隆明 役)

斎藤工せんざきたかあき先崎隆明

瀬々監督の現場は常に集中力がありますが、疲れるだけじゃなく満たされる感覚に包まれる、不思議な魔法をかけられたような現場です。

時代を少し先回りして映画表現として観客の方に訴えていくという方程式は、フィルムメーカーとして、日本映画の「センターピン」である瀬々監督の嗅覚でしか描かれないものだと改めて感じました。

この作品はすごく多面的な要素を持っていますが、最終的にはその全てがリアリティに集約されていく、何か大きな一枚のリアルな絵になっていくような感覚がありました。見る方を「真実」にいざなってくれる作品だと思います。ぜひ映画館で受け取ってください。

青柳翔(真木慎一 役)

青柳翔まきしんいち真木慎一

瀬々監督の作品に参加できたことを大変光栄に思います。人と人との関係性や感情の機微が丁寧に描かれ、物語に強く引き込まれました。

短い撮影期間ながら、監督やスタッフ、キャストの皆さんの真摯な姿勢と熱量に刺激を受け、役の在り方を深く考える濃密な時間となりました。

西島秀俊さんをはじめ素晴らしい共演者との出会いも大変貴重で、温かな現場の中で作品に携われたことを嬉しく思います。多くの方にご覧いただければ幸いです。

光石研(藤島光一 役)

光石研ふじしまこういち藤島光一

常に高い熱量で現場に挑んでいらっしゃる瀬々監督に呼んでいただいて、久しぶりに瀬々組に参加できるということが純粋に嬉しかったです。

本作は、登場人物それぞれのバックボーンがものすごく深く、たとえ短いシーンであってもその背景を感じさせるとても重厚なヒューマンミステリーになっています。

世代を問わず、どんなお歳の方でも楽しんでいただけると思いますので、ぜひ見ていただけたら嬉しいです。

永島敏行(三村智也 役)

永島敏行みむらともや三村智也

スクリーンには現場のエネルギーが映る。私が役者の駆け出しだった頃、現場のあるスタッフに言われた言葉です。

その頃はその言葉の意味をあまり気にもせず、ただ作品に参加させて頂く毎にあの当時言われた言葉は深く意味のある言葉になりました。瀬々組は監督が目指す作品に対し、スタッフ、キャストが自分達の“存在”を注ぎ込んでいました。

「存在のすべてを」――劇場のスクリーンに映る今作品のエネルギーを少しでも感じ取って頂けたら嬉しいです。

奥田瑛二(木島茂 役)

奥田瑛二きじましげる木島茂

久しぶりに瀬々監督の作品へ参加することになり、「しっかりとやらねば」と当然気合いが入りました。脳内での役作りや肉体の準備も含めて総合的に整えて撮影に挑みました。

この重厚な物語を「楽しみに」と一言で説明するのは難しいですが……。言ってみれば「瀬々監督にしか扱えない、瀬々監督でないと撮れない、エンターテインメントとリアリズム」が融合した作品です。

作品の中に様々な想いが詰まっているので、ただただ期待して待っていてください。

STAFF

監督瀬々敬久

『存在のすべてを』は原作の塩田武士さんが、まさに足で稼いだと言っていい小説です。現実の場所に足を運び、そこの空気を直に感じて書き上げられた小説。想像の産物でありながら現実を超えるようなリアリティはそこから来ている気がします。この小説を映画化する。すこぶる難儀であり、大いなる挑戦になる仕事だと思っています。そして主演の西島秀俊さんとは約30年ぶりの映画作り。西島さんの一見柔らかでいながら一気に炸裂する精神に再び出会えることにワクワクしながらも、この間の30年が自分たちや世界にとってなんであったのか、何を失ったのか。まるで小説の主人公たちが30年前の事件に再び接していく様の写し絵のように今、感じています。『存在のすべてを』、このタイトルの重さに恥じない映画を、送り届けたいと思っています。

ORIGINAL

原作塩田武士

『存在のすべてを』朝日新聞出版刊

塩田武士『存在のすべてを』朝日新聞出版刊

1979年兵庫県生まれの社会派小説家。関西学院大学卒業後、神戸新聞社で記者として働きながら執筆し、2010年『盤上のアルファ』でデビュー。2012年に退社し専業作家へ転身。代表作に『罪の声』『騙し絵の牙』『歪んだ波紋』『存在のすべてを』などがあり、緻密な取材に基づいた重厚なミステリー作品で知られる。

塩田武士『存在のすべてを』朝日新聞出版刊